居酒屋バイトを始めてみたものの、思っていたよりずっとしんどくて、毎日が憂鬱になっているという方は少なくありません。
「自分だけがこんなにきついのか」「辞めたら逃げになるのか」と悩んでいる方のために、この記事では居酒屋バイトがきつい具体的な理由と、辞めるか続けるかの判断基準を整理しました。読み終わったときに、自分がどうすべきかが少し見えてくるはずです。
居酒屋バイトがきついのは当たり前?その実態

飲食店を含む業界の離職率は他業種より高い
飲食店を含む宿泊業・飲食サービス業の離職率は、他の業種と比べて高い水準にあります。居酒屋だけの数字はありませんが、入れ替わりが多いと感じる人もいる職場です。
厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」でも、宿泊業・飲食サービス業の離職率は23.7%で、16産業の中で最も高く、産業計の13.7%を上回っています。ただし、辞めた理由がきつさかどうかは、この数字だけではわかりません。
居酒屋だけの離職率は公表されていません。アルバイトに近い数字として、同じ調査のパートタイム労働者の離職率をみると、宿泊業・飲食サービス業は25.0%で、産業計の19.9%を上回りました。
居酒屋はアルバイトが支える職場です。少し前の統計ですが、総務省・経済産業省の「平成28年経済センサス‐活動調査」(2016年)によると、居酒屋を含む「酒場,ビヤホール」の常用雇用者38万9,968人のうち、パート・アルバイトなどは31万865人で、79.7%を占めました。

つまり、居酒屋バイトがきついと感じること自体はごく普通のことです。あなたが弱いわけでも、向いていないわけでもありません。
きついと感じるタイミングは入って間もない時期が多い
居酒屋バイトで「もう無理かも」と感じるのは、入って間もない時期に集中しやすい傾向があります。仕事を覚える段階でミスが重なり、忙しいピーク帯に追いつけないことで自信を失いやすいのがこの時期です。
一方で、仕事の流れが体に入ると、きつさが軽減されるケースもあります。今のきつさが「慣れていないだけ」なのか、「構造的な問題」なのかを見極めることが、判断のポイントになってきます。
居酒屋バイトがきつい理由7選

深夜・閉店後の作業で帰宅が遅くなる
居酒屋の営業は夜遅くまで続くことが多く、閉店後の片付け・清掃・仕込みまで含めると退勤が深夜になることもあります(18歳未満は原則として夜10時以降は働けません)。
翌日に学校や別の予定がある方にとっては、睡眠不足が慢性化しやすい環境です。体力的なきつさの大部分は、この「帰宅の遅さ」に起因していることが多いといえるでしょう。
閉店後の片付けや清掃も、店の指示で行うなら労働時間です。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」は、業務終了後の後始末(清掃等)を事業場内で行った時間を労働時間の例に挙げています。退勤の打刻のあとに作業が残っていないか、確かめましょう。
シフトの多さは平均と比べてみましょう。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、飲食店を含む宿泊業・飲食サービス業の短時間労働者は、19歳以下で月平均8.7日・1日4.4時間、20〜24歳で月9.8日・1日5.1時間でした(2025年6月)。学業に響くなら、店に相談して調整しましょう。
高校生など18歳未満は、労働基準法第61条により、原則として夜10時から朝5時まで働けません。残業や休日労働も原則できません(第60条)。法律は年齢で決めているので、18歳になれば対象外です。夜10時〜朝5時の労働には25%以上の割増賃金が必要で(第37条。時給1,200円なら1,500円以上)、6時間を超えて働く日は45分以上、8時間を超える日は1時間以上の休憩が必要です(第34条)。

酔っ払い客の対応がストレスになる
居酒屋特有のきつさのひとつが、酔った客への対応です。理不尽なクレームや絡んでくるお客さまへの対応は、精神的な消耗が大きくなりがちです。
どれだけ丁寧に接客しても理不尽な目に遭うことがあるのが居酒屋の現実であり、接客業のなかでも精神的な強さが求められる職場のひとつといえます。
統計にも接客の現場の負担は表れています。厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)では、過去3年間に顧客等から著しい迷惑行為を受けた人は、宿泊業・飲食サービス業で16.0%と、全体の10.8%を上回りました。2026年10月1日からはカスタマーハラスメント対策が全ての事業主の義務です。一人で抱えず、店の責任者に相談しましょう。

ピーク時間の忙しさが体力的にきつい
金曜・土曜の夜や歓送迎会のシーズンは、オーダーが集中して店内が慌ただしくなることも多くあります。走り回りながら注文を取り、料理を運び、会計をこなす時間帯は、体力の限界を感じやすいタイミングでもあります。
慣れていない時期にピーク帯のシフトに入ると、ミスが重なってさらに追い詰められるという悪循環に陥りやすいため、注意が必要です。
覚えることが多く最初は余裕がない
メニューの内容・アレルギー対応・ドリンクの作り方・ホールの動き方・POSレジの操作など、居酒屋バイトでは入った直後から覚えることが山積みになります。
飲食店未経験の方にとっては特にハードルが高く、「仕事を覚えながら接客もこなす」という状況が続くことで、精神的にも体力的にも消耗しやすくなります。
臭いや汚れが気になる
食べ物の臭いや油・タレなどによる汚れは、居酒屋バイトでは避けられない部分です。髪や制服に臭いがつきやすく、シフト後に気になるという方も多くいます。
こうした環境は慣れでカバーできる部分もありますが、もともと臭いや汚れに敏感な方にとっては、継続的なストレスになることがあります。
人間関係がきつい職場が多い
居酒屋の厨房やホールは、忙しいシーン特有の緊張感からコミュニケーションが荒くなりやすい環境です。先輩スタッフや社員との関係がうまくいかないと、シフトに入ること自体がしんどくなってしまうケースも見られます。
特にピーク帯はミスに対して厳しい反応が返ってきやすく、慣れていないうちは委縮しやすい状況になることもあります。
時給のわりに消耗が大きい
深夜の割増賃金がつくとはいえ、居酒屋バイトは体力的・精神的な消耗の大きさに比べて時給が見合っていないと感じる方もいます。
アルバイトの時給水準は地域や店舗によって異なりますが、仕事の負荷と収入のバランスが合わないと感じ始めると、モチベーションが続きにくくなります。
時給の下限は法律で決まっています。厚生労働省の「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」によると、最低賃金は最も低い宮崎県で1,085円、全国加重平均で1,177円、最も高い東京都で1,280円です(2026年10月1日から12月2日にかけて順次発効)。深夜の割増分は最低賃金の計算に入らないので、割増を除いた時給で確かめましょう。
実際の時給もみてみましょう。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、宿泊業・飲食サービス業の短時間労働者の時給は平均1,234円で、19歳以下は1,183円、20〜24歳は1,264円でした。短時間労働者全体の1,518円を下回ります(2025年6月分、割増は含まない)。居酒屋だけの数字は公表されていません。

辞めるか続けるか、判断の基準

続けて得られるものがあるかどうか
居酒屋バイトがきつくても続ける価値がある場合もあります。接客スキルや調理の基礎、忙しい現場で動く体力など、食に関わる仕事全般に通じるスキルが身につく環境だからです。
「続けることで何かが得られているか」「3ヶ月後の自分が少しでも成長しているイメージが持てるか」を問いかけてみると、判断の軸になりやすいでしょう。
体や精神に支障が出ているなら即辞めていい
一方で、睡眠が取れない・食欲がない・職場のことを考えると気分が落ちる、といった状態が続いている場合は、続けることにこだわる必要はありません。
バイトを辞めることは逃げではなく、自分の状態を正確に判断した結果です。無理して続けた結果、体や精神に深刻な影響が出てからでは遅い場合もあります。早めに判断することも、ひとつの選択肢として持っておくことが大切です。
辞め方にも決まりがあります。民法第627条により、期間の定めのない雇用は、申し入れから2週間で終わります。期間の定めのある契約でも、やむを得ない事由があれば直ちに解除できます(第628条)。まず店に伝え、話が進まないときは労働局などの総合労働相談コーナーに相談しましょう。
居酒屋バイトを辞めた後の選択肢

同じ食の仕事でも働き方は全然違う
居酒屋バイトがきついと感じていても、「食に関わる仕事自体が嫌いなわけではない」という方は多いのではないでしょうか。
食に関わる仕事は居酒屋だけではありません。スーパーマーケット・食品工場・給食センター・社員食堂など、同じ「食」の現場でも働き方は大きく異なります。深夜がない、週休2日が取りやすい、接客が少ないといった環境も、食の業界の中に十分あります。
スーパーや食品系は日勤・土日出勤なしの求人も多い
スーパーマーケットの惣菜部門や青果・精肉の加工スタッフは、基本的に日中の勤務が中心です。閉店後の深夜作業がなく、生活リズムが整えやすい環境として、飲食業界から転職してきた方も多くいます。
食品工場や給食センターも同様で、シフト制ではあるものの、酔客対応はなく、深夜勤務のない職場も選べます。居酒屋でのきつさの原因が「夜遅さ」「お客さまとのトラブル」だった方には、選択肢として検討する価値があるでしょう。
居酒屋の経験が活かせる職種とは
居酒屋で身につけた経験は、食に関わる他の職場でも十分に評価されます。特に調理補助の経験がある方は、スーパーの惣菜部門や給食の現場でそのまま活かしやすいスキルを持っています。
接客経験についても、スーパーのサービスカウンターや対面販売の職種では評価されることがあります。「居酒屋バイトで得たものは何もない」と感じている方でも、実際には次の職場で通用するスキルが身についていることも多いです。
食に関わる仕事の幅は思っているよりずっと広く、働き方の選択肢もさまざまです。自分に合った環境を探したいと感じたときは、食品業界に特化した求人を探してみることをおすすめします。
また、飲食店の仕事のきつさは職種によって少し異なります。同じ飲食店のカフェの正社員やラーメン屋についても別記事でまとめています。


まとめ
居酒屋バイトがきついと感じる背景には、深夜帰宅・酔客対応・ピーク帯の体力消耗など、業態特有の要因が重なっています。きついと感じること自体は珍しいことではなく、多くの方が同じ状況を経験しています。
続けるかどうかの判断は「スキルが得られているか」と「体や精神への影響があるか」の2点を軸に考えるとシンプルになります。もし辞めることを選んだ場合も、食に関わる仕事の選択肢は居酒屋以外にも数多くあります。
スーパーマーケット・食品工場・給食など、日勤中心で働きやすい環境の求人は、食品業界に特化した転職サービスから探すのが効率的です。今の状況を変えたいと感じたタイミングで、ぜひ一度求人を見てみてください。
まずはどんな転職エージェント・転職サービスがあるのか知りたいという方は以下の記事でおすすめの転職エージェントを比較してご紹介しています。

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