飲食業界を辞めて転職したい人へ|よくある退職理由・スキルの棚卸し・転職先の選び方

飲食業界を辞めて転職したい人へ|よくある退職理由・スキルの棚卸し・転職先の選び方
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この記事の監修

監修者のアバター        松岡浩二      

スーパーマーケット、生鮮業界、飲食業界など全ての【食】に関わる人の人生に役立つ情報を発信していきます。中の人は現役のスーパーマーケットSVをしています。

厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」によると、宿泊業・飲食サービス業の離職率は23.7%で、産業計の13.7%を大きく上回っており、「そろそろ限界かもしれない」と感じながら働き続けている方は少なくありません。長時間労働・低賃金・土日休めない・理不尽なクレーム対応……これらは飲食業界の構造的な問題であり、個人の努力や気合いだけでは解決しにくいのが現実です。

辞める理由も同じ調査でみてみましょう。2025年の転職入職者が前の仕事を辞めた理由(全産業)は、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が男性8.5%・女性12.9%、「給料等収入が少なかった」が9.9%・8.6%、「職場の人間関係が好ましくなかった」が8.9%・11.5%でした。飲食を辞めた人だけの数字ではありません。

飲食業界での経験は、正しく整理すれば食品・生鮮業界での転職で十分に評価されます。「飲食しかやってきていないから次が見つからない」という思い込みを捨てることが、転職成功の第一歩です。

この記事では、飲食業界から転職を考えている方に向けて、退職前の注意点・スキルの棚卸し・転職先の選び方・転職活動の進め方を解説します。

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目次

飲食からの転職で知っておくべき注意点

退職前に転職先を決めるのが鉄則

飲食業界は求人数が多く「辞めてもすぐ見つかる」と思いがちですが、退職後に転職活動を始めると焦りから判断が鈍り、結果的に似たような環境の職場に入ってしまうケースが多いです。収入が途絶えるプレッシャーの中では「早く決めなければ」という気持ちが条件の吟味を妨げます。

求人の多さは統計でも確かめられます。厚生労働省の「一般職業紹介状況」(令和8年9月分)によると、パートを除く常用の有効求人倍率は飲食物調理従事者が1.86倍で、職業計の1.18倍を上回ります。一方、同省の「令和7年雇用動向調査」では、前職が宿泊業・飲食サービス業の転職入職者のうち50.7%が同じ業界へ移っています。

在職中は忙しくて転職活動の時間が取れないと感じるかもしれませんが、転職エージェントを活用すれば求人紹介・書類作成・面接日程の調整をサポートしてもらえるため、働きながらでも無理なく進められます。転職活動のゴールは「内定をもらうこと」ではなく「次の職場で長く働けること」です。在職中に時間をかけて選ぶことがミスマッチを防ぐ最大の手段です。

退職時にやっておくべきこと

転職先が決まったら、円満退職のために以下を準備しておきましょう。有給休暇の残日数確認・退職意思の早めの申告(時期は就業規則を確認)・引き継ぎ資料の作成・社会保険の切り替えタイミングの確認・源泉徴収票の受け取りは最低限押さえるべきポイントです。

飲食業界はシフト制・少人数体制の職場が多く、急な退職は現場に大きな影響を与えます。感情的に辞めるのではなく段取りを整えて辞めることが、次の職場での信頼にもつながります。退職を切り出すタイミングが難しい場合は、転職エージェントに相談すると段取りのアドバイスをもらえます。

飲食特有の転職の難しさ

飲食業界からの転職には、他業界にはない特有の難しさがあります。あらかじめ把握しておくことで対策が立てやすくなります。

短期離職が多く職歴として見られにくい。飲食業界は離職率が高いため、採用側に「また辞めるのでは」と思われやすいです。面接では「なぜ辞めたか」よりも「次の職場で何をしたいか」をポジティブに伝えることが重要です。過去の退職理由はネガティブに語らず、「より安定した環境で食に関わる仕事を続けたかった」のように前向きな表現に言い換えましょう。

フルタイムに限っても傾向は同じです。厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」によると、一般労働者の離職率は宿泊業・飲食サービス業が21.5%で産業別で最も高く、産業計は11.4%でした。同省の調査では、2023年3月に大学を卒業して同じ業界に就職した人の49.9%が3年以内に辞めています(全体は31.2%)。

一般労働者の離職率は宿泊業・飲食サービス業21.5%、産業計11.4%、製造業9.2%、卸売業・小売業8.5%であることを示す横棒グラフ

年齢が上がるほど難易度が上がる。転職入職率は25〜29歳の15.5%に対し35〜39歳は8.5%で(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」・全産業)、35歳以降は即戦力を求められる傾向が強まります。「いつか転職しよう」と思っているなら、早めに動くことが選択肢を広げます。特に異業種への転職を考えているなら、早めに準備を始めましょう。

飲食業界から移った人の年齢もみてみましょう。厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」によると、前職が宿泊業・飲食サービス業で今はフルタイムで働く転職入職者約25.6万人のうち、24歳以下が39.2%、25〜34歳が28.7%、35歳以上が32.0%でした。若い世代が中心ですが、35歳以上で移った人も約3割います。

前職が宿泊業・飲食サービス業で今の仕事がフルタイムの転職入職者の年齢は24歳以下39.2%、25〜34歳28.7%、35〜44歳12.4%、45〜54歳14.8%、55歳以上4.8%で、35歳以上が32.0%であることを示す横棒グラフ

スキルが言語化できていないまま転職活動に入ると「飲食しかやってきていない人」という印象になります。動き始める前に自分の経験を整理する時間を先に作ることが重要です。

飲食で身につくスキルの棚卸し

「飲食の経験は他で使えない」という思い込みは誤りです。飲食業界で日常的にこなしてきた仕事の中には、他の職場で確実に評価されるスキルが含まれています。問題は「スキルがない」のではなく「言語化できていない」ことにあります。

  • 接客・コミュニケーション能力(多様な客層への対応・クレーム初期対応・要望を瞬時に読み取る力)
  • マルチタスク処理能力(注文・配膳・レジ・片付けを同時にこなす段取り力・優先順位の判断)
  • 衛生管理の感覚(食品を安全に扱うための基礎知識・HACCP意識・温度管理)
  • 体力・バイタリティ(ピーク時に動き続ける忍耐力・チームで乗り切る協調性)
  • 食材・調理の知識(食品メーカー・スーパー惣菜部門・給食施設で即戦力になる)
  • マネジメント経験(アルバイト教育・シフト管理・売上管理・発注業務の経験がある場合)

重要なのは「何をしてきたか」ではなく「その経験が次の職場でどう役立つか」を言葉にすることです。「接客をしていました」ではなく「1日◯組のお客様対応の中でクレーム初期対応のスキルを身につけました」のように数字と具体的な業務を組み合わせることで、転職書類・面接でのアピール力が大きく変わります。

飲食の経験が活きる転職先パターン

食品・生鮮系への転職(最もスムーズ)

飲食業界からの転職先として最も経験が直結するのが食品・生鮮業界です。調理・衛生管理・食材知識がそのまま評価されやすく、未経験扱いにならないケースが多いです。

受け入れ先の人手も数字に表れています。全国スーパーマーケット協会など業界3団体の「2026年スーパーマーケット年次統計調査」では、惣菜部門が不足していると答えた企業は、正社員で46.4%、パート・アルバイトで58.0%でした。

スーパーマーケットの惣菜・鮮魚・精肉部門は、飲食業界での調理補助や食材取り扱いの経験が直接活かせる職場です。日勤中心の職場を選びやすく、「同じ食の仕事でこんなに違うのか」と感じる人もいます。給食センターや社員食堂も、大量調理の経験・衛生管理の感覚が評価されやすく、施設によっては土日休みも取れます。食品メーカーの製造・品質管理部門は、食品の現場感覚を持つ人材を求めており、年収が上がるケースもあります。

年収の目安も確かめておきましょう。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」から計算すると、フルタイムでは飲食店が約411万円、飲食料品小売業が約385万円、食料品製造業が約418万円でした。食料品製造業は従業員1,000人以上が約475万円、10〜99人が約357万円で、業界より会社の規模で差がつきます。

食品・生鮮業界は飲食業界と比べて年間休日が多い傾向があり、「食に関わる仕事は続けたいが働き方を変えたい」という方に最も現実的な選択肢です。

休みの数字を比べてみましょう。厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」によると、労働者1人平均の年間休日は宿泊業・飲食サービス業108.0日、小売業113.0日、製造業119.3日でした。一方、完全週休2日制の企業の割合は小売業55.5%、宿泊業・飲食サービス業56.9%でほぼ同じです。スーパーなら土日休みとは限らないので、求人票で確かめましょう。

完全週休2日制の企業の割合は卸売業77.8%、調査計65.5%、製造業59.9%、宿泊業・飲食サービス業56.9%、小売業55.5%であることを示す横棒グラフ

飲食業態内での転職(環境を変える)

「飲食の仕事自体は好き」という場合は、同じ飲食業界内での転職という選択肢もあります。居酒屋・ラーメン屋・焼肉屋などの深夜営業・ピーク激務の業態から、カフェ・給食・デリカ系など比較的働きやすい業態に移るだけで、きつさの中身が大きく変わることがあります。

ただし業態を変えても「飲食業界の構造的な問題(低賃金・土日休めない)」は共通している部分があります。きつさの原因が「業態特有の問題」なのか「飲食業界全体の構造的な問題」なのかを見極めることが、転職先選びの出発点です。

異業種への転職(接客・営業など)

飲食業界で身についた接客スキル・マルチタスク能力・コミュニケーション力は、小売・営業・サービス業でも評価されます。ただし異業種転職は年齢が上がるほど難易度が上がります。食品業界への転職と比べると経験の直結性が薄く、志望動機の組み立てと書類の作り込みにより多くの準備が必要です。「いつかは異業種へ」と思っているなら、早めに動き始めることをおすすめします。

別の業界へ移った人の割合も年代で違います。厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」で、前職が宿泊業・飲食サービス業で今はフルタイムで働く転職入職者をみると、別の業界へ移った人は25〜34歳が58.6%、35〜44歳が39.4%、45歳以上が35.1%でした。年代が上がると低くなりますが、30代後半以降でも移っている人はいます。

前職が宿泊業・飲食サービス業で今の仕事がフルタイムの転職入職者のうち、別の業界へ移った人の割合は24歳以下44.2%、25〜34歳58.6%、35〜44歳39.4%、45歳以上35.1%であることを示す横棒グラフ

転職活動の進め方

スキルを言語化してから動く

転職活動を始める前に、自分がこれまでやってきたことを書き出す時間を作りましょう。「どんな職場で・何人規模のチームで・どんな業務を担当してきたか」を具体的に整理するだけで、書類と面接の準備がスムーズになります。「調理補助をしていました」ではなく「1日◯食の大量調理補助を担当し、衛生管理チェックリストの運用も行っていました」のように数字と具体的な業務を組み合わせることがポイントです。転職エージェントに登録すると、スキルの棚卸しをキャリアアドバイザーと一緒に進められるため、一人で悩むより効率的に整理できます。

食品・生鮮特化のエージェントを使うべき理由

一般的な転職サービスでは食品・生鮮業界の求人情報が少なく、担当者も業界事情に詳しくないケースがあります。スーパーの惣菜部門・給食施設・食品メーカーなど、一般サービスには出てこない求人にアクセスできる点が特化エージェントの大きな違いです。

飲食での経験をどう言語化するか・どの職種が自分に合っているか・面接でどう伝えるか、これらすべてを業界を知るアドバイザーと一緒に整理できることが、特化エージェントを使う最大のメリットです。まずは相談だけでも構いません。

食品・生鮮業界に特化した転職エージェントの比較については、食品業界の転職エージェント比較記事もあわせて参考にしてください。

まとめ

飲食業界からの転職は、正しい手順で動けば十分に実現できます。退職前に転職先を決め・スキルを言語化し・食品特化のエージェントを活用する、この三つが転職成功の基本です。

「飲食しかできない」という思い込みを捨て、自分の経験を整理することが第一歩です。食に関わる仕事を続けながら働き方を変えたいなら、食品・生鮮業界への転職が最も現実的な選択肢になります。まずは相談だけでも、食品・生鮮業界に特化したオイシルキャリアに問い合わせてみてください。

まずはどんな転職エージェント・転職サービスがあるのか知りたいという方は以下の記事でおすすめの転職エージェントを比較してご紹介しています。

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