給食の仕事は未経験でも始められる。仕事内容・給与・転職のコツ

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この記事の監修

監修者のアバター        松岡浩二      

スーパーマーケット、生鮮業界、飲食業界など全ての【食】に関わる人の人生に役立つ情報を発信していきます。中の人は現役のスーパーマーケットSVをしています。

「給食の仕事って、未経験でも入れるのかな」と気になっている方はいませんか?飲食経験はあるけれど、給食の現場は初めてという方や、まったく別の職種から転職を考えている方も多いと思います。

結論からいうと、給食調理の仕事は、未経験からでも十分にチャレンジできる仕事です。この記事では、公的な統計も交えながら、仕事内容や給与・待遇の実際をお伝えします。

給食調理員の1日の流れや大変さ・やりがい、キャリアパスまで幅広く解説しているので、転職を迷っている方はぜひ最後まで読んでみてください。

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目次

未経験から給食の仕事に転職できる?採用されやすい理由

給食業界は人手不足。年齢や経験は意外と関係ない

給食業界は、慢性的な人手不足が続いている業界のひとつです。学校・病院・介護施設など、給食を提供する現場は全国各地に数多くあり、常に安定した人材ニーズがあります。

厚生労働省の「令和7年度衛生行政報告例」によると、全国の給食施設は2025年度末で9万4,792施設あります。調理の仕事(飲食物調理従事者)の有効求人倍率(令和8年8月・常用・パート含む)も2.21倍で、職業計の1.06倍の2倍以上です。給食だけの倍率は公表されていませんが、調理の人手を求める職場が多いことがうかがえます。

40代の未経験者でも採用されるケースは珍しくなく、むしろ未経験者を積極的に歓迎している求人が多いのが給食業界の特徴です。

働く人の年齢を見ても、40代は珍しくありません。総務省の「令和7年地方公務員給与実態調査」では、常勤の学校給食員の平均年齢は51.6歳でした。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」でも、介護施設などで常勤の調理員は平均48.3歳です。どちらも、調理の仕事全体(飲食物調理従事者)の平均44.9歳より高くなっています。

平均年齢は、常勤の学校給食員51.6歳、介護施設の常勤の調理員48.3歳、調理の仕事全体44.9歳であることを示す横棒グラフ

飲食店のような即戦力重視の採用と異なり、給食現場ではチームで分業しながら作業を進めるスタイルが基本です。そのため、年齢や職歴よりも「継続して働いてくれるか」を重視する傾向があります。

資格より姿勢。基本から教える職場がほとんど

給食の仕事に転職するとき、「調理師免許がないと無理では?」と感じる方も多いかもしれません。しかし実際には、資格がなくても採用される求人がほとんどで、入社後に一から丁寧に教えてもらえる職場が多いです。

文部科学省の「令和7年度学校給食実施状況等調査」によると、公立学校の学校給食調理員3万3,714人のうち、調理師免許を持つ人は1万8,119人で、持たない人は約46%です。調理師法が施設の設置者などに求めているのは、調理師を置くよう「努める」ことです。資格がないと働けない仕事ではないことが、数字からもわかります。

公立学校の学校給食調理員3万3,714人のうち、調理師免許を持たない人が46.3%、持つ人が53.7%であることを示す円グラフ

採用担当者が重視するのは、資格の有無よりも衛生管理への意識や、まじめに取り組む姿勢です。基本的な手洗いや食材の扱い方など、ルールを守れる方であれば未経験でも十分に活躍できます。

入社後は先輩スタッフと一緒に作業しながら業務を覚えていくOJTスタイルが一般的です。焦らず着実に仕事を身につけられる環境が整っているため、初めての調理現場でも安心してスタートできます。

給食調理員の仕事内容と1日の流れ。大変さとやりがい

1回に数百食。大量調理は「体力勝負」の側面がある

給食調理員の仕事で最初に驚くのが、その調理量の多さです。学校や病院・福祉施設では、1回の提供で数百食を同時に仕上げる必要があります。

大量調理では、重い鍋を持ち続けたり、長時間立ちっぱなしで作業したりと、体への負担が大きい場面が多いです。特に夏場の厨房は高温になりやすく、体力的にきつく感じる方も少なくありません。

一方で、決められた時間内にすべての料理を仕上げる達成感は格別です。チームで連携しながら大人数分の食事を提供できたときの充実感は、飲食店とはまた違ったやりがいとして感じられます。

実は覚えることが多い。栄養管理・衛生・期限管理の責任

給食の仕事は「料理するだけ」と思われがちですが、実際には覚えるべきルールがたくさんあります。食材の鮮度確認や保存温度の管理、調理器具の衛生チェックなど、毎日の作業のなかに細かい確認事項が積み重なっています。

特に食中毒リスクへの対応は厳格で、手洗いのタイミングや食材の加熱温度など、マニュアルに沿った正確な作業が常に求められます。

また、提供する利用者の栄養バランスや食形態(刻み食・ミキサー食など)にも対応が必要な施設もあります。未経験からでも学べる環境が整っている職場が多いですが、責任の重さはしっかり理解しておくことが大切です。

飲食店との決定的な違い。「決まった人数・決まったメニュー」

飲食店では日々変わるオーダーに対応しますが、給食の現場はまったく異なります。あらかじめ献立が決まっており、提供人数もほぼ固定されているのが基本です。

そのため、求められるのは創意工夫よりも「正確さ」と「スピード」です。同じ作業を毎日繰り返すぶん、慣れれば安定して働きやすいと感じる人もいます。

一方で、「自分でメニューを考えたい」「料理で表現したい」という方には物足りなさを感じる場合もあります。給食の仕事が自分の志向に合っているかを事前に確認しておくと、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。

給食の給与・待遇は安い?統計で見る実際のところ

給与は職場で差が大きい。ただし働き方は安定しやすい

給食スタッフだけの月給を示す公的な統計はなく、金額は勤務先や雇用形態で大きく変わります。飲食店のホールや厨房スタッフと比べて、低めに感じる職場もあるでしょう。

厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、給食調理人を含む飲食物調理従事者(フルタイム)の残業代を除く月給は、中央値が24万2,200円、平均が26万2,000円でした。低いほうから4分の1の位置でも20万2,900円です。介護施設などの常勤の調理員は、一時金の月割りを含む平均給与額が27万2,240円(令和6年9月)です。

給食調理人を含む飲食物調理従事者の所定内給与額は、第1・四分位数20.3万円、中位数24.2万円、第3・四分位数30.0万円であることを示す数字のパネル

ただし、学校や社員食堂の給食は土日・祝日が休みのことが多く、深夜勤務もなく、生活リズムが整えやすいという大きなメリットがあります。病院や高齢者施設の給食は土日も提供があるためシフト制の職場が多いものの、夜遅くまでの勤務が続きやすい飲食店と比べると、働き方は安定しやすいといえます。

給与の数字だけを見ると「低い」と感じやすいですが、残業が少ない・休日が安定しているという点を総合的に考えると、生活の質という面では十分に魅力的な選択肢といえます。

給食だけの統計はありませんが、病院や介護施設を含む医療・福祉の数字は参考になります。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」(2025年)では、フルタイムの月の残業は医療・福祉6.7時間、飲食店を含む宿泊業・飲食サービス業15.6時間でした。「令和7年就労条件総合調査」の年間休日も115.1日と108.0日で、約7日の差があります。

給食会社 vs 施設直営。働き先で待遇は大きく変わる

給食の仕事といっても、大きく分けて「給食委託会社」に雇用されるケースと、「学校・病院・施設の直営」として働くケースがあります。この違いによって、待遇は大きく変わります。

直営の場合は施設の正規職員として採用されるため、福利厚生や昇給制度が充実していることが多いです。一方、委託会社は雇用は安定しているものの、配属先が変わるケースがあります。

それぞれの特徴を整理すると、以下のようになります。

  • 委託会社:全国規模の会社が多く、未経験でも入りやすい。異動・配属変更がある場合も
  • 直営(学校・病院など):福利厚生が手厚く、長期安定しやすい。採用枠が少ない傾向
  • 待遇の差:昇給・賞与・退職金制度の有無が、委託か直営かで異なることが多い

未経験から給食業界を目指すなら、まずは委託会社でスキルを積み、その後直営への転職を狙うというルートも現実的です。

直営を目指すなら、枠の少なさも知っておきましょう。文部科学省の「令和7年度学校給食実施状況等調査」によると、公立学校の62.9%が調理を外部に委託しています。総務省の「令和7年地方公務員給与実態調査」では、常勤の地方公務員として働く学校給食員は8,827人で、前の年より632人減りました。

常勤の地方公務員の学校給食員は、2024年の9,459人から2025年の8,827人へ632人減ったことを示す横棒グラフ

給食からのキャリアパス。この仕事の将来性は?

給食で基礎を固めて、飲食店へのステップアップは可能

給食の仕事は「地味」「将来性がない」と思われがちですが、実はキャリアの土台として非常に優秀です。毎日数百食を時間内に仕上げる大量調理の経験は、飲食業界のどの現場でも高く評価されます。

「段取り力」「衛生管理の徹底」「チームでの調理スキル」は、レストランや社員食堂など幅広い職場で即戦力として認められやすい強みです。

未経験から給食の仕事に入り、数年間で基礎を磨いた後、飲食店の調理スタッフや厨房リーダーへ転職するケースは少なくありません。給食は「キャリアの終着点」ではなく、次のステージへの助走期間として活用できる職場です。

栄養士・調理師資格の取得で昇進・昇給につながるケースも

給食の現場で働きながら、資格取得を目指す人もいます。調理師免許は、実務経験を2年以上積むことで受験資格が得られるため、給食スタッフとして働きながら取得を目指しやすい資格のひとつです。

調理師試験は、飲食店や給食施設などで2年以上調理の業務に従事すると受験できます(調理師法第3条)。厚生労働省の「令和7年度調理師試験実施状況」によると、全国の受験者は1万8,600人、合格者は1万1,240人で、合格率は60.4%でした。勤務先が実務の対象になるかは、都道府県の受験案内で確かめましょう。

資格を取得することで、現場リーダーや調理長といった上位ポジションへの昇進が視野に入ります。また、栄養士・管理栄養士の資格を持っている場合は、献立作成や栄養管理の業務を担うキャリアにシフトすることも可能です。

給食の現場は、資格と実務経験をセットで積める数少ない職場環境のひとつ。スキルアップと収入アップを同時に狙えるルートとして、長期的なキャリア形成に向いています。

まとめ

給食の仕事は、未経験でも始めやすく、ブランクがある方や異業種からの転職でも採用されている職場が多いです。資格よりも人柄やチームワークを重視する現場が多いため、意欲があれば十分にチャレンジできます。

給与は決して高くはありませんが、安定した雇用環境やライフスタイルに合わせた働き方ができる点が魅力です。栄養士や調理師の資格取得でキャリアアップも目指せます。

まずはどんな転職エージェント・転職サービスがあるのか知りたいという方は以下の記事でおすすめの転職エージェントを比較してご紹介しています。

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